「ミサキ育」

HKM例題集 ネコ

◆チャプター25「みさき育」 

ヒロ:でも、ショックだったでしょうねぇ。トラをデブネコにする以外に方法が無くなってしまって。でも、そのトラデブネコ作戦にしたって広田君の評価は△ですからね。△ってことは「どっちでもいいけど丸々していたらかわいいって言えばかわいいかな」ていどでしょうから仮にトラデブネコ作戦が成功しても大きな「まねき力」にはならないでしょうしね。

美咲:そうなんです。「もうだめだぁ」て思いました。トラでは「広田まねきネコ🐈の法則は使えない」ことがほぼ確実になってしまたんです。

でも、「これで良かったんだ」と少し安心したような気もしました。

ネコのことを調べていくうちにネコのことが解ったからだと思います。

それにそのころから、トラのことがかわいいと思えるようになってたんです。

わたしの意識の中でトラが以前よりかわいくなった理由はいろいろあります。

1つは、トラと一緒にいる時間が増えてトラがわたしに前よりなついたからだと思います。

2つ目は、トラがわたしのことを好きだと言う事が解ったからだと思います。

ネコって好きな人、安心できる人のお布団でしか寝ないんです。

そしてお布団のどの位置で寝るかによってその人に何を感じているかが解るんですよ。トラはいつもわたしの枕元で寝ています。子ネコのときから。

それってその人を自分の母ネコのように思っていて、大好きなんですって。

それにネコって好きな人にマーキングをするんですよ。

「これはわたしのものよ」みたいに。

ヒロ:ゲッ! マーキングって犬が電柱とかに・・・・のやつですか?

美咲:ちがいますよ。やだなぁ。「・・・・」じゃありません。

ネコは顔の周辺に匂い線があるんです。だから好きな人には頭と言うか顔をこすりつけるんですって。

トラはよくわたしの足に顔をすりすりするんです。この事を知る以前は、「かゆいのかな?」と思っていたんです。

3つ目は、私がネコのことを色々理解したからだと思います。

いつでもどこにでもいる動物なので色々のことを知っているつもりだったのですが、ネコのしぐさや習性や行動、動物としても特性をほとんど知らないで一緒に暮らしていたことに気が付きました。それを知ってから、面白いやら、ビックリするやら、ネコが好きになりました。

ネコ育では私の都合でトラに無理やりキューピット役をさせようとしてしまって悪いことをしたと反省もしました。

ヒロ:なんかいいお話ですね。美咲ちゃんのことを好きっていうトラの気持ちが、美咲ちゃんを変えたんですね。

美咲ちゃんはほんとうに大人になりましたね~。

美咲:トラに色々教えてもらいました。

ヒロ:ネコ育をしようとして実は「みさき育」になったのかも知れませんね。

美咲:ニャン(はい)。

 

美咲:そうだ。ヒロさん教えてあげましょうか?ネコって魔法を使うんですよ。

ヒロ:えっ! またまた~。大人をからかって。魔法使いなんて。

美咲:ヒロさんは自分が妖精なのに、魔法使いをしんじないんですか~?

ヒロ:うっ。スっ、スルドイ。

 

美咲:ヒロさん。ネコには「2大不思議」があるんです。

1つは「ネコの集会」です。ネコの集会というのは主に夜に地域の野良ネコや飼いネコが一定の場所に集まってきて、みんなで数時間その場所で過ごすんです。特に何をするわけでは何ですが、座って、寝転んで、眠っているんです。そして数時間たったら三々五々帰っていくんです。世界中のネコ学者さんも何をしているのか、どうして集まるのか判らないそうなんです。

ヒロさんはネコたちが何をしているかわかりますか?

ヒロ:知っています。でもネコたちに口止めされているんで。

美咲:えーっ ヒロさんネコの集会の理由を知っているんですか!

ヒロ:冗談を言ってみました。

ヒロさんが思うに、それはたぶん電磁波が関係していると思います。ネコ達は人間が見えないオーロラを見ているんではないでしょうか?

美咲:もぅ、ビックリして心臓が止まりそうになりました。

でも、ヒロさんが言うとなんか本当のことのように聞こえるの不思議です。

もう1つがヒロさんの言葉が本当のことのように聞こえる事と同じような話なんです。それはネコの「ゴロゴロ」なんです。

このゴロゴロも「どうして」「何のために」ならしているのかには、いろんな説があるんですけど、結局わからないんですって。

「赤ちゃん返り説」や「幸せだな~説」が一般的なんですが。

最近分かったことにゴロゴロには実は2つの種類があるみたいなんです。

1つは普通のゴロゴロです。もう一つは、「少し高い音程のゴロゴロ」なんですって。こっちの高い音程のゴロゴロはたぶん「なんかの要求をしているゴロゴロ」だとされています。

この高音のゴロゴロを聴くと人間は「その要求」に応えてしまうんだとか。

魔法のゴロゴロです。

ねっ。ヒロさんのお話とネコの高音ゴロゴロ、似てるでしょう。

ヒロ:ヒロさんもこれからゴロゴロの練習をします。

でも両方とも面白いお話ですね。

美咲:広田君はこの大不思議がすごく好きで、自分で解明したいって色々やっているんです。とっても面白いのは、「ネコの集会にはネコが招待してくれる」という説が有力で、広田君はそれを狙ってネコにコネを作っているらしいんです。

「ネコにコネ」ですよ。おかしいでしょう。

それでネコの集会に参加した時に備えて、どのネコが参加しているかを確認するためにネコごとにネコの特徴を書いたり写真を貼ったりしたネコカードも作っているです。そしてその中には「プレミアムカード」があるらしいんです。

ヒロ:プレミアムカードですか?

美咲:特別な模様があるネコが稀にいるらしいんです。例えば、クエスチョンマークとか、ハートマークとか、アルファベットとか漢字とか。

広田君って本当にネコの不思議にはまっているんです。

つづく

By Hiro

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