「美咲ちゃんはネコ育博士になった②」

HKM例題集1 ネコ

◆チャプター24「美咲ちゃんはネコ育博士になった②」

美咲ちゃんとヤンヤン・ドットちゃんの法則

 

美咲:もっと分かったのは、この学習を促進するための方法もわかりました。

「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」て言うんです。

ヒロ:おお。美咲ちゃんの好きなやつですね。

美咲:そうなんです。もう少しかわいい感じの名前だったらもっと良かったんですけど。「ヤンヤン・ドットちゃん」みたいな。

この法則は「ネコの緊張感や期待感が適度な場合には学習効果は上がる」というものです。

具体的には、ご褒美を与える場合には「適度にじらせる」という内容です。

ごはんをご褒美にするときには食事を6時間~10時間与えない。

スキンシップや遊びをご褒美にするときには、1日~2日ネコを無視する。

と言う事をすると学習効果は上がるみたいです。

これが解った時にはネコ育は成功できる!って嬉しくなりました。

ヒロ:ヤーキーズ・ドッドソンと言う名前に恥じない迫力のある作戦ですね。

ふと考えたんですが、ヤーキーズ・ドッドソンの法則をそのまま広田君に使えたら広田まねきネコの法則を使うよりもっと直接的にネコ育ができるたんじゃないですかね?

美咲:それがダメなんです。これは相手が自分ことを好きじゃないと使えないんです。

ヒロ:・・・・。(即答。美咲ちゃんも同じ事を考えたんですね。キット)・・・・

 

美咲:でも、ガッカリなこともわかりました。

ネコの「学習能力」や「集中力」です。

ネコの学習能力は犬とかに比べて低いんです。

「脳化指数」と言う指標があるんです。体重と脳の重量を使って計算するんですが、やはりこの数値が高い方が学習能力は高いそうなんです。

人間は「7.4」 イルカは「4.8」 チンパンジーは「2.2」

カラスは「1.25」 犬は「1.2」 ネコは「1.0」 なんですって。

うちの近所のゴミステーションのゴミをカラスが荒らすんですが、ネコがそのカラスを狙っている姿を良く見るんです。でもカラスがネコにやられたところを見たことがありませんし聞いた事もありません。ネコじゃカラスに勝てないんですね~。

でも、犬だってなさけないですよねー。犬って「張り切っているぞ~!」みたいな感じで生活しているじゃないですか?

カラスにまけてどんするんだよ。おい! みたいな~。

ヒロ:(美咲ちゃんは大阪の生まれかなぁ?)

 

美咲:具体的に脳化指数「1.0」ってどのくらいかと言うと、

自分の名前を覚えるためには、「呼ぶ⇒来る⇒ご褒美」を100回必要な程度です。

また、ネコの集中力は長くても10分が限度だそうで、長い時間は訓練できないんです。ですから三か月間訓練期間があって、毎日1回訓練しても「15時間」しかできないんです。

これじゃネコ育の対策を2つも3つもやるのは3カ月ではとても無理だとおもいました。

とするとトラの協力を必要とする中で一番可能性が高いのはわたしも協力する余地が大きい「デブネコにする」と言う事です。

だからこの時点での「かわいいネコを育てる作戦」はこんなふうに変更になりました。

 

かわいいネコを育てる作戦(変更1)

NO

かわいい内容 実現方法 広田君好み期待

選択

1 毛をかわいい色に染める ペットショップ

2 洋服やリボンをつける 自作

3 毎日シャンプーで良い香り 美咲とお風呂

4 毛をプードルカットする ペットショップ

5 デブネコにする 高カロリー食

6 鳴き声を変えてみる 訓練

×

×

7 かわいい仕草をさせる 訓練

×
8 芸を教える 訓練

×

 

この表は、ネコ育が可能な条件と対策のMAXを示したものです。

いくら広田君が「NO6,7,8」が好きだとしても実現できないことが解りましたので「NO6~NO8」までは選択できなくなりました。

「NO1~NO5」を選択できるためには広田君が「NO1~NO5」を「好き」と言ってくれないとだめなのです。

ヒロ:そうですよね。広田君が好きじゃない事を実現しても「広田君は好きじゃないんだから」なんにも意味が無いですよね。

 

美咲:そうなんです。でも、「質問票」を返してもらった時の答えは「よし!まだ大丈夫」というものでした。

広田君の質問の答えは「1-〇」「2-△」「3-◎」「4-×」「5-◎」「6-△」「7-◎」「8-〇」だったんです。だから作戦こんなふうになりました。

 

かわいいネコを育てる作戦(変更2)

NO かわいい内容 実現方法 広田君好み現実 選択
1 毛をかわいい色に染める ペットショップ

2 洋服やリボンをつける 自作

3 毎日シャンプーで良い香り 美咲とお風呂

4 毛をプードルカットする ペットショップ

×

×

5 デブネコにする 高カロリー食

6 鳴き声を変えてみる 訓練

×

7 かわいい仕草をさせる 訓練

×

8 芸を教える 訓練

×

 

ヒロおお。「NO1~NO5」の中に広田君の好みが結構残っていますね。「デブネコ」も残っているじゃないですか。良かったですね。

 

美咲:そうなんです。やったー!という感じでした。

でも、質問票を返してくれた日の次の日に広田君が回覧板を持ってきたんです。その時広田君が「質問票のことで聞きたいことがあるんだけど時間ある」ってことで、広田君とお話したんです。その結果、下のようにほぼ全滅になったんです。

広田君から回収した質問票の答えは「1-×」「2-×」「3-×」「4-×」「5-△」でした。その結果作戦はこんなことになってしましました

 

かわいいネコを育てる作戦(確定)

NO かわいい内容 実現方法 広田君好み 選択
1 毛をかわいい色に染める ペットショップ

×

×

2 洋服やリボンをつける 自作

×

×

3 毎日シャンプーで良い香り 美咲とお風呂

×

×

4 毛をプードルカットする ペットショップ × ×
5 デブネコにする 高カロリー食

6 鳴き声を変えてみる 訓練

×

×

7 かわいい仕草をさせる 訓練

×

×

8 芸を教える 訓練

×

×

 

ヒロ:ほとんど絶望的な変更ですね。NO5の「デブネコ」でも「△」ですもんね。

美咲:原因は質問票なんです。

質問票の作り方なんて知らなかったのでよく町でやっているアンケートを思い出して作ったんですがこれが原因でした。

質問票の質問が適切ではないと誘導とか詐欺みたいなことになってしまうんです。

そしてその誘導や詐欺的な質問を前提にして、むりやり5つの尺度に分けさせるので、回答者が条件とかを付けることができないんですよね。


わたしがした質問はノートに書いてあるこんな質問でした。

①「かわいい色をしたネコは好きですか」

③「シャンプーの匂いのするネコは好きですか」

⑤「かわいいネコのしぐさはすきですか」

選択肢「大好き・好き・どちらともいえない・嫌い・大嫌い」


広田君に「この質問の意味」を聞かれて話しているうちに、「ああ、そういう事だったらば」といって「ほぼ真逆」の答えに修正されちゃったんです。

 

美咲:本当にヒロさんが解説してくれた「かわいい」が広田まねきネコ🐈の仮説の要件だと私が勘違いしたことはその通りだと思います。

ヒロさんはお見通しですね。本の妖精はすごいですね。

ヒロ:ありがとうございます。少し照れます。

つづく

By Hiro

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