HKM例題集 第一話 ネコ育
◆チャプター19「美咲ちゃんは6つに1つの名前をつけた」
ヒロ:前の前のステップで今回の問題解決活動についての「成果」につながっていると思われる色々な原因についての質問をしました。
そこにはネコ育が上手く言った点と上手くいかなかった点がありましたね。
それらの原因や結果を「最も向上させたい点、又は最も修正をしたい点」を中心として、一言に集約してみてください。
「〇〇・・・・〇〇する必要がある」と、まとめてください。
美咲:むずかしそうですね。
ヒロ:大丈夫です。美咲ちゃんができる範囲でやれば十分なんですよ。
手順としては3段階です。
①上手くいった点を箇条書きにする
②上手くいかなかった点を箇条書きにする
③「①と②」をジ~ッと眺めてそれらが発生している原因を考えてみる
です。
美咲:やることを具体的に分けて言ってもらえると分かりやすいですね。
美咲:上手くいった点は
①「問題解決目標」が50%達成できたこと。広田君が前に比べて「2倍」来るようになりました。
②目標が50%ですが達成されているので「実現子の設定」も上手くいったと思います。
③「実現子測定指標」と「問題解決策」に関しても、「トラを可愛く育てる」以外の測定指標の設定は上手くいきました。それぞれの指標の数値の向上に合わせてそれぞれの実現子がちゃんと実現されているので。
④「スケジュールの作成」と「スケジュールの実行」に関しても上手くいったと思います。理由は今お話した上の①から③ものが上手くいっているからです。
美咲:上手く行かなった点は
①「トラを可愛く育てる」という実現子が実現できなかったこと。
②「トラを可愛く育てる」という実現子の測定指標の設定が良くなかったこと、の2つです。
原因は実現子を「トラを可愛く育てる」いう中途半端というか、なんか漠然としたとものだったからだと思います。もっと直接的にトラを可愛くする具体的な項目の実現子を設定すればよかったです。
でも、ネコに関する知識や、広田君に関する知識が不足していたのであの時点では無理だったとは思いますが。
実現子の具体性が低かったのでその結果、実現子の測定指標も「トラの訓練時間数」いう漠然としたものになってしまいました。
美咲:次はこれら6つのことの発生原因を考える・・・・・・・。
ム、ム難しい。このままではダメですか? お気楽~♪ってことで。
ヒロ:はい美咲ちゃん。お気楽~♪に頑張ってみてください。上手にできなくても大丈夫ですよ。
物事を一言にまとめよう、と言うのは物事の本質を考えてみよう、と言うことなんです。そしてそれはそういう視点をいつも意識しておく事によってできるようになるんです。
一言に集約した内容は、それが行動の基準と評価の基準になるので、物事が複雑になっても迷子にならないでちゃんと目的地に着けるんですよ。
練習だと思ってやってみてください。
「6つの事の発生させている原因は?」と考えないで「6つことに共通な名前を付けてみよう」と思っていいですよ。美咲ちゃんは物事に名前を付けるのが上手じゃないですか。法則名とか。
美咲:ほうほう。名前を付ければいいんですね。
じゃ考えてみますね・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さっき出した上手くいったことと上手くいかなかったことは、ヒロさんの質問に答えているうちに気が付いた事なんです。
上手くいったことは「自分なりにちゃんとできたこと」で「エライぞ」みたいに自分でも納得ができると言う感じです。
上手くいかなかったことは「やっちゃったな~」みたいな感じで「こうすればよかったなかな」と思った点です。
そして自分なりにわかったことはヒロさんが教えてくれた「ドミノ倒しができていないんだ」ってことなんです。
ヒロ:そうです。問題解決はドミノ倒しなんです。
美咲:はい。ヒロさんに教えてもらって、私も頭では理解していたんですが、自分でやって上手くいった経験や上手くいかなかった経験を自分でしてみて初めて実感として「ああ、こういうことか」って納得できたんです。
ドミノ倒しは、ドミノ同士の間隔だとか、ドミノの重さだとか形とかをちゃんと考えなければ最後までドミノは倒れないのに意識をしていなかった・・・・
美咲:あっ、わかった!分かりました。ヒロさん、わかりました。
問題を解決するためには、
「問題解決策=測定指標を向上させる行動➡実現子測定指標➡実現子」
と言う連鎖を作る必要があるんです。それがドミノなんです。
でも連鎖が上手く作れているステップと連鎖が作れていないステップがあるんですよ。それがさっき上げた「6つ」なんです。
美咲:だから今回のネコ育を一言集約すると
「『ネコ育続性確保の法則』を常に意識する必要がある!ワクワク」です。
漢字が多くてなんとなく女子高生的じゃないのでワクワクと入れてみました。
ヒロ:美咲ちゃんすごいです。美咲ちゃんはわかりやすく物事をまとめるのがホントに上手ですね。ワクワクもとてもいい感じです。
これが人間の名前だとすると「権田原マリン」みたいな感じでおもしろいです。
ヒロ:それと実現子や実現子の測定指標については、「直接的にトラを可愛くする具体的な項目の実現子を設定した方が良い」と気が付いた時点で変更すればよかったですね。
「一度決めた測定指標を変更してはダメ」と言う事は無いので。
美咲: あっ、そうか。そうですよね。
人間って自分のことになるとになると、当たりまえのことに気が付かない事があるんですね。一つ賢くなったような気がします。
ヒロ:美咲ちゃんはいっぱい賢くなったと思いますよ。
それでは次に、今一言にまとめてくれた「必要性」を実現するための具体的な活動を考えてください。
美咲:それは簡単です。一言にまとめる前の話が中心ですもんね。
①目標の実現に適した「あたり前」の実現子を考える
②数値が向上したら実現子が実現できる測定指標をよく考える
③測定指標の向上に直接役に立つ改善策をよく考える」
の3つにします。
ヒロ:それではこれが最後の質問です。
次回のネコ育における「問題解決の成果目標」を設定してください。
今回の活動成果より高い目標を設定してくださいね。
美咲:ヒロさん。「次回のネコ育」ってことは今回のネコ育をもう一回続けてやると言う事ですか。
広田君が今の週2回から、週4回になるように?
ヒロ:前にお話したようにHKMは「問題解決能力を向上させるメソッド」なんです。ですので、同じ問題を題材にする場合にも、別な題材を使うにしても訓練として「繰り返し」を予定しているのです。
今回に関しては、問題解決が50%でしたので本来は同じ「かわいいネコを育てる」という題材でもう一回やるのですよ。その本来の場合はもちろん、「今回の問題は置いておいて、別な問題に取り組む」という場合にも今回より高い目標を設定することになります。
美咲:そうなんですね。
わたしが買ったこのホットケーキミックスの本に「お気楽に達人になれるよ~」みたいなことが表紙に書いてあるんですが、お気楽に練習をして問題解決の達人になれるってことなんですね。
わたしはてっきりヒロさんを見ていて、問題が解決したら「お気楽になれる」てっことなんだと思っていました。
美咲:まッ、取敢えず次回の成果目標を決めちゃいます。
今回の成果は「50%」の成功でしたので、次回は
「100%」をもちろん目指します。
もう1度同じ問題で本当にやってもいいですよ。ヒロさん。
ヒロ:素晴らしいです。前向きですね。若いって素晴らしいですね~。
でも今回の問題はこれで大丈夫です。
美咲:?? そうなんですか?
ヒロ:はい。これですべて今回の問題解決活動=ネコ育は終わりました。
それでは、わたしはこの辺で失礼します。
美咲:ヒロさん待って下さい。わたしはまだ終わっていません。ヒロさんに提案がありますし、教えて欲しいことがあるんです。
ヒロ:何でしょう。
by Hiro
“美咲ちゃんは6つに1つの名前を付けた” への 1 件のフィードバック