HKM例題集1 ネコ育
◆チャプター23「美咲ちゃんはネコ育博士になった①」
美咲:なにを、なにを、なにをすればゲット!なんでしょうか?
ヒロ:(コ、コワイ)ほら、ほら、さっきやったでしょう?💦
美咲:わかった。思いだした。日常化です。
ヒロ:はい。良くできました。これで美咲ちゃんの問題は解決ですね。
美咲:はい。ありがとうございます。
ヒロさんに会えて本当に良かったです。
色々教えてくれてありがとうございました。
ネコ育のおかげで、広田君とも仲良くなれたし、わたしも少し賢くなったような気がしますし。
でもこれって、ヒロさんのおかげと言うよりもトラのおかげかな?
ヒロ:ハハ・・・そう、そうですね。
トラのおかげですね。
でも、トラはブサネコのまんまで、少し残念がっているかもしれませんね。
美咲:いえ、そんなことはないと思います。
このノート見てください。
この表は私が最初に考えた「かわいいネコを育てる作戦」の全体図です。
かわいいネコを育てる作戦(最初)
NO |
かわいい内容 | 実現方法 | 広田君好み予測 |
選択 |
1 |
毛をかわいい色に染める | ペットショップ |
◎ |
〇 |
2 |
洋服やリボンをつける | 自作 |
△ |
× |
3 |
毎日シャンプーで良い香り | 私とお風呂 |
〇 |
〇 |
4 |
毛をプードルカットする | ペットショップ |
× |
× |
5 |
デブネコにする | 高カロリー食 |
〇 |
〇 |
6 |
鳴き声を変えてみる | 訓練 |
× |
× |
7 |
かわいい仕草をさせる | 訓練 |
◎ |
〇 |
8 |
芸を教える | 訓練 |
△ |
× |
「かわいい内容」と言うのは、この作戦の出発点で、わたしがトラを「かわいいネコ」にするためには「こんなことができる」と思った事です。
そしてこれを前提として、
第1ステップとして「ネコのことを知って」
第2ステップで「第2ステップ」で知ったネコの知識を基に広田君に質問して「広田君のネコの好み」を聞き
第3ステップで「ネコの特性なんかを考えながら」広田君の好みを実現する「トラの変身」を行う、という予定でした。
それを一覧にしたのがこの図です。
ヒロ:ほー。なかなか綿密ですね。恋する女子高生の思い入れを感じます。
美咲:この予定に基づいて早速インターネットでネコのことを調べました。
調べたことの中心はネコの「学習」のことでした。
表の作戦の「NO1~NO4」まではトラの協力なしでできます。
でも「NO5~NO7」はトラの協力が必要です。
トラの協力って、わたしから見れば「ネコをしつける」ることですし
トラからすれば「トラが学習する」ことです。
ヒロ:なるほどなるほど。
美咲:ネコの学習を調べてみたら、ネコの学習には2種類あるんです。
この2種類は、時期によって分類されるんです。
1つは生まれて2週目から7週目の間の「社会化期の学習」。
もう1つはそのあとからの「生涯学習」です。
社会化期に学習する内容は「人慣れ」です。
人に良くなついたネコってかわいいですもんね。
トラはよく人に慣れていますし、今よりもっと人慣れをさせようとしても、トラは大人のネコなんでこの学習は無理です。
だからトラの学習は生涯学習しかできません。
生涯学習のしかたは2種類あります。
1つは古典的条件付け、もう1つはオペラント条件付けと言います。
この2つの条件付けの目的は、「ネコがやってはダメなこと」を止めさせ、「ネコにやって欲しいこと」をやらせるようにすると言う事です。
方法としては、これはやってはいけない事をネコがした場合には「罰」をあたえたり、ご褒美を取り上げたりし、逆に人がネコにさせたいことをネコがした場合には、ご褒美を与えると言うものです。
ヒロ:人間もこんな感じでしつけをしますよね。興味深いです。
美咲:トラに「NO5~NO8」の事をさせるためにこの2つの方法を使ってすればいいと言う事が解りました。
ご褒美は、ごはんやマッサージ、グルーミング、遊んであげることです。
おもしろいことがあるんですよ。
犬は「褒める」ことがご褒美になるんですが、ネコには効かないんですって。
ヒロ:へ~そうなんですか。でもどうしてなんでしょうか?
美咲:それは犬と猫の生き方の違いなんです。
ヒロ:生き方・・・・ですか?イヌ生観とかネコ生観みたいなものでしょうかね。
美咲:動物としての性質みたいなものです。
犬というのは人間とのかかわりを持つことによって人間と共存する動物で、ネコは人間に迷惑をかけない事によって人間と共存する動物なんですって。だから犬にとっては人間に褒められるってことは自分の生存に大きな意味があるかなんだって書いていました。
ヒロ:なんとなく、犬はカワイイ、ネコはカワイソウって感じがしますね。
でも美咲ちゃんはネコ通ですね。
美咲:えへへ。恋がかかっていましたから。
By Hiro