ねこチャレ:「ひろさんニューヨークに住む」
前回
JFK国際空港に着いて、エアトレイン(空港の各ターミナルから各方面へのハブステーションに通じる無料電車)に乗って、そのジャマイカ駅と言う、ハブステーションに着いた時の話です。
この駅でマンハッタン行きの電車に乗り換えようとしたときに、ひろさんは仕掛けられました(ドキドキ)。
第三話「言ってやれ!日本語で言っても感情は伝わる! その2」
ジャマイカ駅の存在する路線は「インターナショナル路線」と言われ、マンハッタンを出ると、その路線の界隈は駅ごとにいろいろな国からの移民が暮らす街になっています。そしてマンハッタンを出発して5分ていど走ったところから、街の雰囲気も電車の中の雰囲気も悪くなってきます。どのくらい悪くなってくるのかを理解していただくのに、ホテルの値段が一つの目安になると思います。
この路線界隈のホテルの値段は、マンハッタンに比べて半額程度のホテルしかありません。ジャマイカ駅のあたりでは、ツイン/ダブル一部屋(つまり宿泊者は2名)で8000円くらいのホテルが主流です。2人で1万円以上のホテルは少ないです。ここはニューヨークシティです。ニューヨーク州の田舎の方ではありません。タイムズ・スクエア―から電車で20分弱の場所です。
エアトレインを降りて、ジャマイカ駅でマンハッタンのペンと言う駅に行くためには地下鉄かロングアイランドレールロード(LIRR)を言う電車に乗り換える必要があるんです。
ここの駅の券売機はメチャクチャ混雑するんです。理由は3つです。
- ひろさんたちのような外国人やアメリカの他の州からの観光客が押し寄せること
- 地下鉄と電車があって、どの券売機がどっちのものか明確でない事
- 券売機の操作方法がわかりにくく、しかも、券売機のカードの読み取り精度が悪いこと(アメリカはクレジットカード社会です。切符もクレジットカードで買うのが主流です)。
です。
話を進めます。
ひろさんたちはこの券売機の試練を、ワンちゃんの英語力で何とかクリアして目指す改札を入りました。改札を少し過ぎたところにトイレがありました。このトイレで事件は起きました。
アメリカでは日本のようにトイレがどこにでもあるわけではありません。ですのでアメリカでは、
「トイレがあれば、とりあえず行っておく」(トイレ格言1)ことが大事なんです。
そうしてもう一つトイレに関して大事なことがあります。それは、
「危険! 公衆トイレには行くな」(トイレ格言2)です。
駅のトイレは公衆トイレのようなものです。でも、トイレは駅の改札から10mほどのところにあり、改札付近には駅員がたくさんいました。
そこでひろさんは、トイレ格言「2」は適応場面ではない!と日本人の危機意識の希薄さから判断し、トイレ格言の「1」を実行することにしたのです。
ひろさんとワンちゃんは2人でトイレに入っていきました。ワンちゃんは「小」。ひろさんはついでに「大」です。
事件は、ワンちゃんがトイレを出て行った後に起こりました。
アメリカ格言「1」「アメリカでの行動単位は最低2人」が担保されなくなった状況が発生した直後です。
大の個室は2室ありました。ひろさんのお隣は誰かが入っていました。
ワンちゃんが出て行ったあと、隣の奴は誰かと携帯で話しをはじめました。
20秒くらいすると隣の奴がひろさんが入っている個室の壁をノックしました。ひろさんは知らんぷりをしました。そうしたらさらに隣の奴はノックをしてきました。「お金をこっちの個室にスライドしろ」みたいなことを言っています。そこでひろさんは言いました。
I am Japanese. I don’t understand English.
トイレに隣の奴の仲間が入ってきました。そいつらは何か二言三言叫びあってから、ひろさんのトイレの扉を激しくノックしました”ドンドンドンドン“ ”ドンドンドンドン“。そして開けろと叫んでいます。
ひろさん危うし(ドキドキ)
By Hiro
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